新卒で保育士として就職するなら、トライアル雇用がおすすめ!
ポイント
保育士として本格的に働く前に、お試しでどんな職場か見てみたい、と思うことはないでしょうか。一般的に保育士として働き始めると、4月の年度初めから年度末の3月まではクラス担任を受け持つことがほとんどのため、年度途中で退職しにくい環境と言えます。特に子どもが好きで保育士になったという方や、責任感のある方は、どんなに待遇が悪い、いわゆる「ブラック保育園」と呼ばれる職場で働いていても、年度内は退職を我慢する傾向にあり、そうした辞めにくい環境が保育士の就職や再就職に少なからず影響を与えているでしょう。
こうした状況で、就職先は慎重に選びたい、という保育士は少なくありません。そんな保育士におすすめなのが、「トライアル雇用」です。トライアル雇用は、雇用のミスマッチを解消するための制度の1つで、職場が合っているか、働き続けられるかを見極めるため、一定期間の試用期間を設けた上で採用する制度です。職場と求職者のミスマッチを防ぎ、相互理解を促進することを目的としています。互いに適正を見極める期間は、原則3ヶ月です。トライアル雇用期間が終了すると、求職者、雇用側の双方の合意のもと、常用雇用へ移行します。
メリット
トライアル雇用は、求職者側にも雇用側にもメリットのある制度です。求職者としては、就業が不安でもまずはお試しで働いてみよう、という気になれ、入社後のミスマッチを防げるでしょう。また、雇用側としても求職者の適正を判断できる他、トライアル雇用助成金制度により助成金が支給されます。
トライアル雇用は、正社員として働きたいけれど、しっかり職場を見極めてからにしたい、お試しで実際に働いてみて、合うか合わないかを検討したいという保育士に適した制度と言えるでしょう。ただし、トライアル雇用制度では応募できる求職者の条件が定められています。まず、希望している職業の就業経験がないこと、妊娠・出産・育児を理由に離職し1年以上安定した職業に就いていないこと、既卒3年以内で、卒業後安定した職業に就いていないこと、などの条件が挙げられています。年齢制限はないため、1つでも条件に当てはまればトライアル雇用として応募できるでしょう。
デメリット
ただし、トライアル雇用にはデメリットも存在します。まず、すぐに正社員として働きたいという方には不向きでしょう。トライアル雇用は原則3ヶ月間は試用期間となるため、正社員として働き続けられるかどうかは試用期間後の面談で決まります。さらに、必ずしも正社員になれるわけではありません。場合によっては不採用として常用雇用に至らない場合もあるでしょう。
新卒や第二新卒など、就業経験がない求職者にとって、希望する職業がどのような仕事内容なのか、職場の環境も含めてお試しで気軽に始められるのがトライアル雇用の特徴でしょう。保育士を目指す方の多くは、保育園で働くことへの期待と不安を抱いています。特に初めて就職する場合は仕事内容も漠然としているため、いきなり正社員として責任のある仕事を任されることに不安を抱く方は少なくありません。
保育士と一口に言っても、仕事内容は働く職場によって全く異なります。日々のクラス運営だけなく、日誌や月案などの事務仕事、園外研修の頻度や会議の回数など、働き始めてみないと見えないことは多々あるのです。子どもの発育、発達を見守り援助するという保育士の表面的な仕事だけでなく、それ以外の仕事に関してもトライアル雇用中に見えてくるでしょう。自分に合わない職場もあれば、合う職場もあります。1度働き始めるとなかなか退職しづらい保育士だからこそ、本来の職場環境を知り、働き続けられる職場を見つける上でトライアル雇用を利用してみてはいかがでしょうか。
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