派遣保育士の注意すべき抵触日
派遣保育士
保育士は、正社員以外にも派遣社員としての働き方があります。派遣社員として働くメリットは様々あり、そのひとつがパートやアルバイトよりも給与水準が高いということです。また、正社員とは異なり、時間固定で働くことができるという点もメリットです。正社員の場合は、残業が発生する可能性が高いですが、派遣社員にはそのようなことはありません。さらに、複数の保育園で働いたとしても職歴が増えないというメリットもあります。保育園は数多く、中には職場環境が自分に合わないということもあり、すぐに転職をしたくなる場合もあります。もし正社員として働いたのならば、転職するたびに職歴が増えて、次の転職がしにくくなる可能性がありますが、派遣社員の場合は、その心配はありません。
反対に、派遣社員として働くデメリットもあります。それが3年以上続けて同じ職場で保育士として働き続けることができないということです。この派遣社員の契約期間と雇用契約において重要なことが抵触日というものです。
抵触日について
抵触日は、派遣の保育士だけに限らずにすべての派遣社員・派遣会社にかかわるものです。抵触日とは、派遣期間制限が切れた翌日のことです。現在の労働者派遣法では、一人の派遣スタッフが同じ施設において同じ業務に携わることができるのは、3年間と定められています。この3年間の期間が派遣期間制限です。抵触日を迎えてしまった場合、派遣先の企業は同じ派遣社員を受け入れることができなくなり、派遣社員も同じ職場で働くことができなくなります。これは、3年を超えて派遣社員を受け入れ続けるということは、慢性的な人員不足であると予想され、派遣先企業で直接雇用するべきであるという考えに基づいた法律です。そのため、抵触日は、派遣先企業、派遣元の企業、そして派遣社員自身にとっても非常に重要で、その通知に関しても細かく取り決めがなされています。
なお、抵触日は派遣社員個人の単位と派遣元の事業所単位でそれぞれ設けられています。いずれも派遣期間制限は3年が限度と定められており、その翌日が抵触日です。事業所単位の場合、抵触日を過ぎても派遣先が望めば、延長することが可能ですが、個人単位の場合は同じ課やグループ内の場合は不可能となります。
抵触日は、派遣社員にとっても派遣先、派遣元にとっても非常に重要な日付です。知らぬ間に過ぎていたなどとなった場合、派遣社員は職を、抵触日からなくすことになりかねません。そのため、派遣先は派遣元の会社と派遣社員に抵触日を通知する義務があります。派遣先の企業は派遣元の会社に派遣契約を結んだ際に通知しなければなりません。同様にして、派遣先の会社は、派遣社員に対して派遣契約を結んだ際に抵触日を知らせる義務を負っています。就業条件明示書において抵触日が記載されており、派遣社員本人も確認し、次の職場や直接雇用契約について考える必要があります。
抵触日を超える場合
抵触日を超えて派遣社員を雇用したい場合、派遣先は派遣社員を直接雇用しなければなりません。つまり、派遣社員ではなく社員として働くこととなります。社員といっても、直接雇用を結ぶだけであり、正社員以外にも契約社員やパート社員として働く可能性もあり、派遣社員としての待遇よりも悪くなる可能性もあるので、雇用内容をしっかりと確認することが重要です。もしくは、別の課で働くことも可能です。同じ勤務先であっても別の課であれば問題ありません。これ以外ならば、別の派遣先を見つけることとなるので、派遣元に相談することが必要となります。
なお、抵触日を過ぎた契約についてよく勘違いがあるのですが、派遣元の会社を変えていれば同じ派遣先で働くことができるわけではありません。また、別の課ならば引き続き働き続けることができますが、保育士の場合、別クラスを担当することとなっても、この条件に当てはまることはないでしょう。
抵触日の影響を受けない、派遣期間制限がない人は、派遣会社に無期雇用されている社員か60歳以上の社員などと限定されています。
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